令和6年度『役員研修会』が開催され、当協議会が日頃お世話になっている金沢市商工労働課の布島宏胤課長から、「伝統工芸から学ぶ金沢のまちづくり」というテーマでご講演をいただきました。
ご講演では、その数の多さ、多彩さが全国的にも類を見ない伝統工芸の集積地としての金沢市が、藩政時代から培ってきたその基盤のうえに、明治時代には繊維産業・繊維機械産業を発達させ、さらに近年では情報通信・映像・デザイン業を集積させているという内容のお話をいただきました。
布島課長はこれまでさまざまな伝統工芸の振興政策の企画立案・実施に携わってきた方です。その豊富なご経験から得られた知見は、参加者にも大きな刺激となりました。
そしてご講演の終わりに引用された陶芸家・大樋陶冶斎(十代長左衛門)氏の「伝統は最初からあるわけじゃない。苦しんで試行錯誤して累積されたものが伝統なんだ」「古い民家があって、合理的な近代ビルもある。近代的でない街をひたすら尊(とうと)ぶ人もいるが、それじゃ生活ができません。・・・金沢にはそれが両方ある。両方なければ都市構造は成り立たんがですよ。」という言葉は、普段金沢で仕事や生活を営んでいる私たちに投げかけた先人の言葉として、本当に深い含蓄があると思います。
こうして今年度の役員研修会は盛況のうちに閉会。そしてご講演後の質疑応答でも、参加者から「大きな刺激を受けた」という感想がありました。講師を務めていただいた布島課長には、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。